佐賀県では、お年寄りや障がいのある方、子育て・妊娠中の方など、みんながしぜんに支え合い心地よく過ごせる、佐賀らしいやさしさのカタチ「さがすたいる」を広めています。
今回、「さがすたいる」プロジェクト初の取組として、県民のみなさまから小さな思いやりや心配りなどを感じたエピソードを募集しましたので、その一部をご紹介します。
※エピソード募集期間:令和7年11月13日(木)~令和8年1月12日(月)
※本エピソードは「さがすたいるのやさしさ広場(令和8年3月1日~8日/ゆめタウン佐賀 1階 イーストコート)」で展示しています。
支えあうやさしさ
雨の中、バスで通勤していました。
運転手さんが濡れながらスロープを付けて介助してくれました。
その様子を見て、他のお客さんがそっと傘を差し出してくれました。
福祉の仕事をしていますが、先輩が「誰かの支えになろうとしている人が、いちばん支えを必要としているよ」と言って、スイーツをくれました。
車いすが大きく重いので、お店のドアがギリギリなことがあります。
そういう時、ドアを押さえてくれる人がいると、引っかからずに入れるし、何より気がついてくれるだけで「ありがとう」と思います。
ちょっとした段差や隙間でも手間取ることがありますが、少し引っ張ってくれると、とても嬉しい気持ちになります。
声をかけるやさしさ
子どもと福岡にライブに行った時のこと。
帰りの時間が遅くなり電車は満席。
仕方なくデッキで過ごしたのですが、子どもたち3人とも座りこんで寝てしまいました。
周囲の人たちに押されて困り果てていたところ、お兄さんたちが子どもたちを囲って、他の方たちから踏んだり押されたりしないようにと壁になってくれました(博多駅〜佐賀駅まで)。
その方たちが下車されたあと、近くにいた年配の女性の方から声をかけられました。
なんと、空いた席に自分の荷物を置いて、私と子どもたちの席を確保してくださったのです。
おかげで、その後は目的地まで座ることができました。
もう10年以上前のことですが、今だにあの恩は忘れられません。
高齢の祖父は、杖をつきながら、ゆっくりとすり足でしか歩けません。
歯の治療で歯科医院に行ったとき、祖父の様子を見たスタッフの方が、治療前の患者さんに声をかけ、出入口から一番近い席に案内してくれました。
案内中も「ゆっくりでいいですからね」とやさしく声をかけてくれ、祖父は最短距離で治療台に座ることができました。
あたたかい対応をしてくれたスタッフの方々と、快く席を移動してくれた患者さんに感謝しています。
ショッピングセンターで荷物が多い高齢者に高校生が声がけして、車に載せる手伝いをした光景を見たときに、ほっこりとした気分になった。
佐賀に来て、通勤などで自転車を使わざるを得ない場面に直面。
職場で一緒に働いている日本人の方が、休日に自転車選びを一緒にしてくれたり、練習に付き合ってくれて、本当にうれしかったです。
また、練習中に通りすがりの老夫婦から、「がんばれ!こんなおじいちゃんでも乗れるから、乗れるようになるよ!」と声をかけてもらいました。
日本人はあまり他人に関わらないイメージがあったので、応援してもらえて感動しました。
あのときのおじいちゃんに改めて「ありがとう」を伝えたいです。
伊万里市に引っ越してきてから約10年。
息子たちが小さかった頃から成長を見守ってくださった図書館で働く皆さん。
今年、娘が生まれ、4人育児に四苦八苦している私に、「いつでもここに連れておいで。代わりに抱っこする人がたくさんいるから」と声をかけてくれました。
車いすを利用していると、子どもたちと同じ目線になり気軽にあいさつや声がけしてくれることがうれしい。
直視は失礼にあたるからやめなさいという考え方もありますが、どうか止めずにコミュニケーションを促してほしい、と私は思います。
先日、図書館にて、視覚障がいのある利用者の方が、点字ブロックのない道で困っているところを館長が発見!
すぐに声をかけ、肩をお貸しして館内まで一緒に歩いてきてくれたのです。
館長のさりげないやさしさに、図書館員みんなで「すてき」ってほっこりしました。
車いすで一人で外出しているときに、「何かお手伝いすることはありますか?」と声をかけてもらうことがあります。
そのように声をかけてもらえると、本当に困っていることや手伝っていただきたいことを具体的に伝えることができ、とても感謝しています。
最近増えてきたセルフレジ。
どうにも苦手で、普段は有人レジを使っています。
年末の買い出しでスーパーに行ったとき、間違えてセルフレジの列に並んでしまいました。
どのレジも大混雑で、並び直す余裕もなく、意を決してセルフレジに挑戦しましたが、案の定大苦戦。
夫も隣で見ているだけで、店員さんも別の人の対応中。
困り果てていると、隣の台に来た女性が「お手伝いしましょうか?」と声をかけてくれました。
その方は、自分も早く終えたいはずなのに、私たちの精算を最後まで手伝ってくれました。
帰り際に「助かりました」と伝えると、「よいお年を!」と笑顔で見送ってくれました。
初めて佐賀駅から博多に行くときのことです。
日本に来てから、一人で電車に乗るのはその日が初めてでした。
チケットは買えたものの、どの電車をどこで待てばいいのか分からず、案内表示を見ても不安が残り、周囲の人の流れを見ながら立ち止まってしまいました。
そのとき、隣に立っていた日本人の方に勇気を出して声をかけました。
博多に行きたいことを伝えると、「私も博多に行くところなので、ここで待てば大丈夫ですよ」と、穏やかに教えてくださいました。
その一言で、張りつめていた気持ちが和らぎました。
コンビニで車いすから手の届かないおにぎりを取ろうとしていた時、高校生が「どれか取りましょうか?」と声をかけてくれました。
ことばのやさしさ
大学受験の願書を入れた封筒を学校終わりに地元の郵便局に出しに行った際に、担当してくれた郵便局の職員の方が、「受験がんばってくださいね!」と笑顔で言ってくれました。
多忙な日々が続き、心が疲れてイライラすることもある中で、後輩には弱音を吐かずに頑張っていました。
自分では気がつかないうちにストレスを抱え、言葉にトゲトゲしさがあふれるようになり、そんな自分が嫌になりへこんでいた時、同僚から優しい言葉をかけられ、救われた思いになりました。
夫が脳出血の後遺症で高次脳機能障害者になったとき、この先どうしたらいいのか不安で押し潰れそうになっていました。
相談に行った理事長さんから、「一人で抱え込まなくていいんだよ。みんなで支援していくから」と言われ、その言葉にとても救われました。
夫が亡くなって2年経ちますが、今でも思い出すたびに感謝の涙が出ます。
10年前のことですが、妻が妊娠中に入院することになり、2歳の長女がママと離れるのが寂しくて泣いていました。
気を紛らわせようと、近くのコンビニに入っても泣き止まず困っていると、女性の店員さんがアンパンマンのチョコレートをくれました。
長女は泣き止み、ホッとしました。
当時、妻に育児を任せっきりで、子どもはママに懐いていました。
そんな私を見越してか、その時の店員さんはやさしく対応をしてくださり、とても感謝しています。
小さな子供を連れているとき、ベビーカーがうしろにひっくり返ってしまって、その場にいた方に「すみません」と謝ったら、「お母さんが謝ることじゃないよ」と言ってもらえたとき、ホッとしました。
韓国から交流員としてある街に赴任し、韓国語講座の講師として街の人と交流していました。
あるとき体調が悪くなり、「今日は講座を休みます」と受講者にLINEをすると、「ちゃんと食べてる?」「食べ物はある?」と返信がありました。
「動けないので、今日はあるもので済ませます」と返して休んでいると、玄関でゴソゴソする気配がありました。
その後、講座の受講生から、「玄関に食べ物を置いておいたから!」と連絡がありました。
まさか家まで食べ物を届けてくれるとは思っていなかったので、とても感動しました。
見守るやさしさ
子供との外食の際、お店の壁に「もしお子様がお食事をこぼした際は、私たちに気兼ねなくお伝えください。本日はごゆっくりお食事を楽しまれてください」と言うニュアンスの張り紙がしてあり、みんなが子育てを見守っている気がして安心できました。
電車内でぐずり出した赤ちゃん。
お母さんもあたふたされていました。
すると少し離れたところにいた親子が、赤ちゃんに「いないいないばあ」をし始めました。
赤ちゃんはその親子に気づき、ニコニコ笑顔に。
赤ちゃんのお母さんも安心したお顔になりました。
まちのやさしさ
朝の満員電車。
ホームに着くと、みんな急いでいるはずなのに、走らず、押し合わず、静かに進んでいました。
佐賀の人たちの心の余裕を感じました。
他県へ行くと、子供用のいすベビーカー用のスペース、おむつ交換台等もなかなか無いと気づき、佐賀県では安心して子供と一緒にお出かけできます。
「その車いす、カラフルでかわいいですね」
そんな気遣い以外の何でもない会話をしてもらると、健常者と障がい者の壁を感じず、嬉しさを感じます。
日本に住んで約10年になります。
来日した当初は一人親としての生活が始まり、慣れない環境の中での子育てに不安でいっぱいでした。
日本で暮らす中で、多くの方の支えや思いやりに触れ、少しずつ安心して毎日を過ごせるようになりました。
特に忘れられないのは、子どもと横断歩道を渡ったときのことです。
車がまだ遠くにいるにもかかわらず、必ず止まってくれて、子どもが安全に渡れるよう待ってくださいました。
横断した後、子どもが深くお礼をすると、運転手の方が笑顔でうなずいてくれました。
その一瞬のやり取りに、胸が熱くなりました。
唐津くんちの帰りの満員電車で、子どもたちは歩き疲れ、次男は寝落ちしたので、背負っていました。
長男も座りたいとグズリ始め、妻も体調が悪く、八方塞がりで困っていました。
すると、その様子を見ていた女子中学生が、座っていた席を譲ってくれました。
それ以降、公共交通機関を使う場合は、高齢者や小さな子どもを連れられている方には積極的に声がけをしています。
当たり前の席の譲り合いを今後も続けて行きたい、と改めて感じた一時でした。
認めるやさしさ
プライド月間に、ゆめタウン内のいくつかのお店がレインボーフラッグを飾ってくれていました。
佐賀ではなかなか見ることのないレインボーフラッグ。
意味を理解した上で飾ってくれている企業や店員さんのやさしさを感じました。
※プライド月間:LGBTQ+の権利や多様性を祝い、理解と連帯を広げるために毎年6月に行われる世界的な月間。
※レインボーフラッグ:LGBTQ+コミュニティの多様性と尊厳、連帯を象徴する6色の旗。
アンケートなどで、性別の記入が「任意」だったり、「その他」という選択肢が増えてきました。
以前はモヤモヤしながら、しかたなく記入していましたが、「書かなくてもいい」という選択肢が増えたことが、素直にうれしいです。
勇気を出して社内でカミングアウトしました。
LGBTQ+の当事者として会議に出るとき、担当の方が、本名を出していいのか、どこまで話してよいのか、丁寧に聞き取ってくれました。