私たちLadybirdは視覚障害当事者、支援者、保護者のグループです。
視覚障害者(当事者)が外出しやすい環境という視点でレポートします。
外食したいけど、どんなお店か分からないので、行きつけのお店にばかり行く当事者も多いです。
飲食店、トイレ、スーパーなどは、当事者が外出しやすい環境を整えたい場所です。
今回のレポートするのは初めて訪れた、佐賀市大和町にある「カフェ フクシア」さん。
「大和町にあるカフェで、石井樋入口交差点から西側に入り、100mくらい直進した左手にお店があります。向かい側は介護老人保健施設しょうぶ苑です。お店は白い壁の平屋づくりで、壁には青いタイルが貼られているお店です。ドッグランのスペースがあり、白い看板が目印です。」。
例えば上記のようにお店の外観や近隣の状況がHPに紹介されていると、タクシー利用の多い当事者が運転手さんに説明する際に大変役に立ちます。
お店に到着しました。さて、引き戸の入口のドアを開けると、店員さんの声。まずは、席までの誘導です。
背中を押したり、手を引っ張ったりして誘導されるのは怖いものです。
店員さんはどのようにお連れしたらよろしいですかと尋ねられたので、肘の少し上を持たせてもらい半歩前を歩いてもらいました。もちろん、白杖は本人が持っています。
席に着きました。テーブルと椅子の位置関係を本人の手で確認後、着席。
店員さんは後ろから椅子を差し出してくれましたが、本人が椅子を引いて座るのも安心です。
店員さんが、水を運んできてくれました。コップをどの位置に置いたか、触って確認させてくれました。マナーとしては静かにコップを置きますが、当事者に対しては、あえて音を立ててコップを置くのもちょっとした気配りです。
メニューや食事の提供、水をつぎたす際にコップの位置を変えたときは伝えてくれると助かります。
何を食べようか、当事者にとっても色々と迷いながらメニューを決めるのは楽しい時間です。
まず、麺類、カレー、ハンバーグ、スパゲティ等大まかに何系があるかを教えてください。
今回は麺類をチョイス。ここで麺類のメニューを全て読み上げてもらいました。ポイントは必ず値段を伝えること!値段を気にしながら食べるのは食べた気がしません。「ランチは1,000円以内です」「麺類は850円から1,000円です。」など大まかに教えてください。
また、どういう料理か具体的な説明があると助かります。店員さんは、当事者へ初めてのメニュー説明でしたがとても上手でした。
辛肉フォーを注文。ハンバーグと迷いましたが、鉄板に盛りつけられていて触って火傷したり、食べやすい大きさに切ったりすることが面倒だと思い、今回は辛肉フォーを注文しました。火傷する恐れのある料理は、別のお皿に盛りつけてもらうと安心して食べられます。
料理が運ばれてきました。
店員さんが、食器を触らせ位置や温度の確認をさせてくれました。料理の説明も分かりやすくて、上手で食欲がそそられます。お盆の中にすべての食器があると探す範囲が限定され助かります。
なお、当事者は丼ものや麺類など一つの食器で食べられるものは、食べやすいため選ぶ人が多いです。
辛いけどおいしい!水をおかわりしたい!
店員さんに声をかけるタイミングが難しい。ベルがあると助かるなあと話しました。
話も弾んだところでお手洗い。慣れないトイレは何がどこにあるか説明をしてもらったり、気疲れするため使わない当事者も多いです。お店が行きつけになると遠慮なくトイレにも行けるようになります!
最後はお会計。当事者はお札の種類を長さの違いで判断します。小銭は分けて収納できる財布から取り出します。
店員さんは丁寧に両手を添えておつりを渡してくれ、当事者が財布にお金を分けて入れるまで待ってくれました。
希望を言えば、お会計を座席で済ませることができると慌てる必要がないので助かります。
視覚障害者はしてほしいことを伝える。お店の人は声をかける。
段差など物がバリアアリーでも、目配り気配り声かけなど心のバリアフリーがあれば、安心して外出できます!
フクシアさんを訪れるお客さんには盲導犬や介助犬のリタイア犬を連れて来られる方もいるそうです。
料理自体もおいしかったけど、店員さんの誠意やおもてなしの心を感じ、心和らぐ時間を過ごせました!フクシアさん、ありがとうございました!