当方、37歳。これまで読書といえば小学生の頃の夏休みに感想文を書かせられたときに無理して読んだのが最後だったなぁ、面接のときに好きな本を聞かれなくてよかったなぁ、などと読書とはほぼ無縁だった人生を思い返しながら訪れたのは、こちら!佐賀市立図書館です。
まさかこんな自分がこんな所へ足を運ぶなんて...とちょっとした違和感をもちながら(笑)
それでも私にとって奇跡の一冊との出会いに期待してお邪魔をしてきたというわけです。
私は、電動車いすに乗っているので、西側の身障者用駐車場から館内へ。
なだらかなスロープでつながっていたので、大変助かるなと感じました。
また、地下にも駐車場があり、そこにも身障者用スペースが設けられていたので、これなら雨の日も濡れる心配がないなと感動しました。だから、雨の日もお邪魔したいです。
館内に入り、感じたことは、通路がとっても広いということです。
書架に挟まれた通路でも、車いすでターンできるくらい広いので、大事な本を傷つけずに移動できるので安心だし、見やすいなと思いました。
また、多目的トイレもいくつかつくられていて、どれも広々と使うことができそうでした。
手すりやトイレットペーパーホルダーの位置もバッチリ使いやすそうでした。
館内には、みんなにやさしいポイントをたくさん見つけました。
まず感心したところは、点字を打った書籍や情報誌がたくさんあることです。
これだけのバリエーションがそろっているので、結構な本好きの人でも長い間退屈せずに済みそうです。
ただ、私にはその本にどんなことが書かれているのか、全然わかりませんでした。
他にも、弱視の方等むけに、文字を拡大して映し出すことができるモニター装置がありました。
一つの方向にずれないよう本をスライドできる機能もついていて、とても使いやすく便利だなと感じました。
その隣には、視覚に障がいがある方や印刷された文字を読むことが難しい方向けに、
「デイジー図書」という、資料を音声で読み上げると同時に文字や画像をモニターに映し出す装置がありました。
パソコンを操作したりする必要があるので、使いたい方はスタッフさんにお声掛けをされるといいみたいです。
他にも、図書を検索する装置が館内のあちこちにありました。
検索をするとその本の在りかを書かれたものをプリントアウトすることができるようになっていました。
車いすに乗っている私には、どうしても高いところが見えなかったり手が届かなかったりするので、検索した情報をスタッフさんに伝えると図書をもってきてもらえたので、これは本当に助かりました。
大きなテーブルもたくさんあって、閲覧するにはとてもいい環境がそろっていると感じました。
また、自分で本を読むことが難しかったりして朗読をしてほしいといった方むけに、対面朗読サービスというものが決められた日時で行われているそうです。
貸し出されている書籍のほかにも、新聞、雑誌、そのほか自宅からの持ち込みの資料などについても、ボランティアの方が朗読をしてくださるというものです。
それだけではなく、障がいなどの理由のために図書館へ来館することが難しい方に対して、無料にて宅配による図書の貸し出しを行うというサービスも実施されています。
これらのサービスについて利用してみたいという方は、図書館の窓口に事前にご連絡ください、と言われていました。
この日、佐賀市立図書館を訪れて感じたことは、図書館の方々はみんな本が好きなのだなということ、そして、とてもやさしいのだなということです。
これだけの仕組みやサービスを用意するのはとても大変だったはずです。
それでも、利用者のために、それだけではなく本を読むことが難しかったり機会に恵まれなかったりする人にまでも、本を身近なものにしてほしいという熱い気持ちのようなものを感じました。
とても感動すると同時に、なぜ自分は今まで本に触れる機会はあったはずなのに手にしてこなかったのだろうと恥ずかしくもなりました。
今回の訪問では奇跡とよべる一冊には出会えませんでしたが、それ以上に素敵と思えるような、図書館スタッフの方々の思いやりとやさしさに出会うことができました。私も、これからは本に親しみながら生活をしていこうと思います。
というか、今回久しぶりに本に触れたせいか、いつの間にか小学校時代の読書感想文のようになってしまいました (^^;